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今(2010)年の平和宣言は、(わたしごときが批評を加えることは憚られますが)まともな平和宣言だったと思いました。それは『・・・今こそ、日本国政府の出番です。「核兵器廃絶に向けて先頭に立つ」ために、まずは、非核三原則の法制化と「核の傘」からの離脱・・・・』と政権交代を実現した民主党政府に出番をそくしていることからもうかがえるように思いました。これこそが被爆者を含む核兵器廃絶を願う人たちの気持ちだからで、『・・・核兵器のない世界を一日も早く実現することこそ、私たち人類に課せられ、死力を尽して遂行しなくてはならない責務であることをここに宣言します。』で宣言を結んでいるからです。 |
昨(2009)年の平和宣言で『・・・オバマ米大統領(第44代:1961- )を支持し、核兵器廃絶のために活動する責任があります。この点を強調するため、世界の多数派である私たち自身を「オバマジョリティー」と呼び・・・』に比べれば、日本国広島市市長が宣言する今(2010)年の平和宣言はまともな宣言になったのではと(わたしは)思いました。しかし、多数の広島市民が望んでいないと(わたしが)思う、オリンピック開催を目指していると云っていました。次の市長選挙への布石かなとうがった見方をしてしまいましたが。 |
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わたしは、核兵器の廃絶を願っている単なる広島市民ですので、昨年平和宣言で云っていた「オバマジョリティー」ではありません。
しかし、プラハ演説に核廃絶への一歩を核大国・米国が踏み出そうとしていると思うし、ルース駐日米大使が今(2010)年の通称・平和記念式典に出席したことにも表れていると(わたしは)思います。 |
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10.08.08裕・記編集 |
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10.08.06.裕撮影 |
平和宣言中の秋葉忠利広島市長 |
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「ああ やれんのう、こがあな辛い目に、なんで遭わにゃあ いけんのかいのう」―65年前のこの日、ようやくにして生き永らえた被爆者、そして非業の最期を迎えられた多くの御霊と共に、改めて「こがあな
いびせえこたあ、ほかの誰にも あっちゃあいけん」と決意を新たにする8月6日を迎えました。
ヒロシマは、被爆者と市民の力で、また国の内外からの支援により美しい都市として復興し、今や「世界のモデル都市」を、そしてオリンピックの招致を目指しています。地獄の苦悩を乗り越え、平和を愛する諸国民に期待しつつ被爆者が発してきたメッセージは、平和憲法の礎であり、世界の行く手を照らしています。
今年5月に開かれた核不拡散条約再検討会議の成果がその証拠です。全会一致で採択された最終文書には、核兵器廃絶を求める全ての締約国の意向を尊重すること、市民社会の声に耳を傾けること、大多数の締約国が期限を区切った核兵器廃絶の取組に賛成していること、核兵器禁止条約を含め新たな法的枠組みの必要なこと等が盛り込まれ、これまでの広島市・長崎市そして、加盟都市が4000を超えた平和市長会議、さらに「ヒロシマ・ナガサキ議定書」に賛同した国内3分の2にも上る自治体の主張こそ、未来を拓くために必要であることが確認されました。
核兵器のない未来を願う市民社会の声、良心の叫びが国連に届いたのは、今回、国連事務総長としてこの式典に初めて参列して下さっている潘基文閣下のリーダーシップの成せる業ですし、オバマ大統領率いる米国連邦政府や1200もの都市が加盟する全米市長会議も、大きな影響を与えました。
また、この式典には、70か国以上の政府代表、さらに国際機関の代表、NGOや市民代表が、被爆者やその家族・遺族そして広島市民の気持ちを汲み、参列されています。核保有国としては、これまでロシア、中国等が参列されましたが、今回初めて米国大使や英仏の代表が参列されています。
このように、核兵器廃絶の緊急性は世界に浸透し始めており、大多数の世界市民の声が国際社会を動かす最大の力になりつつあります。
こうした絶好の機会を捉え、核兵器のない世界を実現するために必要なのは、被爆者の本願をそのまま世界に伝え、被爆者の魂と世界との距離を縮めることです。核兵器廃絶の緊急性に気付かず、人類滅亡が回避されたのは私たちが賢かったからではなく、運が良かっただけだという事実に目を瞑っている人もまだ多いからです。
今こそ、日本国政府の出番です。「核兵器廃絶に向けて先頭に立」つために、まずは、非核三原則の法制化と「核の傘」からの離脱、そして「黒い雨降雨地域」の拡大、並びに高齢化した世界全ての被爆者に肌理細かく優しい援護策を実現すべきです。
また、内閣総理大臣が、被爆者の願いを真摯に受け止め自ら行動してこそ、「核兵器ゼロ」の世界を創り出し、「ゼロ(0)の発見」に匹敵する人類の新たな一頁を2020年に開くことが可能になります。核保有国の首脳に核兵器廃絶の緊急性を訴え核兵器禁止条約締結の音頭を取る、全ての国に核兵器等軍事関連予算の削減を求める等、選択肢は無限です。
私たち市民や都市も行動します。志を同じくする国々、NGO、国連等と協力し、先月末に開催した「2020核廃絶広島会議」で採択した「ヒロシマアピール」に沿って、2020年までの核兵器廃絶のため更に大きなうねりを創ります。
最後に、被爆65周年の本日、原爆犠牲者の御霊に心から哀悼の誠を捧げつつ、世界で最も我慢強き人々、すなわち被爆者に、これ以上の忍耐を強いてはならないこと、そして、全ての被爆者が「生きていて良かった」と心から喜べる、核兵器のない世界を一日も早く実現することこそ、私たち人類に課せられ、死力を尽して遂行しなくてはならない責務であることをここに宣言します。 |
2010(平成22)年8月6日 |
広島市長 秋葉 忠利 |
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◇上記宣言文は、「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」会場で配られている式次第の中にある「平和宣言(日本語)」を転記しました |
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いびせえ |
恐ろしい、怖い(広島弁で主に広島県西部・安芸地方で使われます) |
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