菅直人首相の挨拶2010年

  2003年(当時)民主党党首だった菅さん。小泉首相の通称・平和記念式典で(官僚が書いたものを棒読みしていた)あいさつに対して痛烈に批判していたところを(わたしは街頭演説で)聞いていました。
2010年は、自ら総理大臣になったのですから、広島市民の心に届く挨拶になるのだろうと(わたしは)それなりの期待を持っていました。
式典出席の74ヶ国代表に対し『・・・日本国民の、二度と核による被害をもたらさないで欲しいという思いを受けとめていただくよう祈念いたします。』 と日本国が、核兵器廃絶のリーダになろうとしたとも思える挨拶であったな〜と(わたしは)思いました。
しかし、帰宅後TVニュースで見ましたが、
菅首相、「核抑止力は、わが国にとって引き続き必要」と云っていました。また非核三原則の法制化にも否定的な見解を述べていました。核兵器を認めているのですから、いまの日本国が核兵器廃絶という世界の潮流の先頭には立てません。
先日、当地中國新聞のコラム、にこのような話が載っていました。『米国で「ヒロシマの声は届いていますか」と尋ねた。すると、「日本政府にこそ届けて」と(米国の)軍縮の専門家に切り返されたと・・・』これこそが日本国がどこまで『核兵器の廃絶』を真剣に考えているのだという目で、外国からもみられている例として、記者会見の見解とともに被爆者をはじめとする核兵器の廃絶を願う人々の願いが分かっていないと(わたしは)思いました。
8月7日朝日新聞の「首相あいさつ自ら準備」という記事に目がとまりました。
『厚生労働省が作った記念式のあいさつ原案を「例年と同じような内容」と採用せず、福山哲郎官房副長官らと練り直した。秋葉市長とも何度かやり取りした。国会準備に追われる中、この挨拶は例外とし、時間を割き8月5日まで手を加えた』そうですが、その準備が何だったのかと思わせる記者会見をTVニュースでみたわたしは淡い期待だったのだと知りました。
8月9日長崎の平和記念式典では、最後の最後に物理学者であるアインシュタイン博士、湯川秀樹博士らのパグウォッシュ会議(核軍縮問題など戦争と平和の問題を科学者の立場から討議するために創設された会議)のことに触れ、菅首相自ら東工大理学部応用物理学科で学んだ初心を忘れないようにしようと云っていました。
継続されている現実の政治の中では、なかなか政策変更は困難が伴うでしょうが、日本国が核兵器廃絶のための施策に舵をきる時が来ている事を考え、そのような国になることを願いながらこの頁の締めとしました。
10.08.10裕・記編集

10.08.06.裕撮影
菅首相の挨拶
菅首相2010年挨拶の言葉

  広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式に当たり、原子爆弾の犠牲となられた方々の御霊に対し、謹んで哀悼の誠を捧げます。
そして今なお被爆の後遺症に苦しまれている方々に、心からお見舞いを申し上げます。
核兵器の惨禍を、人類は二度と繰り返してはなりません。唯一の戦争被爆国である我が国は、「核兵器のない世界」の実現に向けて先頭に立って行動する道義的責任を有していると確信します。私は、様々な機会をとらえ、核兵器保有国を始めとする各国首脳に、核軍縮・不拡散の重要性を訴えてまいります。また、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向け、日本国憲法を遵守し、非核三原則を堅持することを誓います。
昨年四月のオバマ大統領のプラハ演説を契機に、核軍縮・不拡散に向けた動きが活発化してきています。
こうした中、本日の式典には、潘基文国連事務総長、さらにはルース駐日米国大使を始め七十か国を超える国の代表の方々が出席されています。心より歓迎いたします。日本国民の、二度と核による被害をもたらさないで欲しいという思いを受けとめていただくよう祈念いたします。
核兵器廃絶を訴えるNGOである「平和市長会議」に加盟する都市は、広島や長崎を筆頭に、世界で四千を超えています。こうしたNGOや市民を母体とする活動は、世界的な核軍縮の気運を高めていく上で、重要な役割を果たしています。
五月の核兵器不拡散条約運用検討会議の際には、百人近くの被爆者の方々がニューヨークに赴き、会場や街頭で、核兵器被害の悲惨さを訴え、秋葉広島市長も現地で尽力されました。この会議が最終文書採択という成果を収めた背景には、こうした被爆者の方々とそれを支援するNGOや市民の方々の貢献がありました。
今後は、被爆者の方々が例えば「非核特使」として日本を代表して、様々な国際的な場面で、核兵器使用の悲惨さや非人道性、平和の大切さを世界に発信していただけるようにしたいと考えています。
政府としても、将来を見据えた具体的な核軍縮・不拡散の措置を積極的に提案し、国際社会の合意形成に貢献していく決意です。
政府は、被爆により苦しんでおられる方々に、これまで保健、医療及び福祉にわたる総合的な援護策を講じてまいりました。
長く続いてきた原爆症認定集団訴訟については、昨年八月に終結に関する確認書を交わしました。この確認書に基づき、控訴の取下げや基金の創設などを行っています。
一方、原爆症の認定を待っておられる方々に関しては、一日でも早く認定すべく最善を尽くしたいと思います。さらに、法律改正による原爆症認定制度の見直しについて検討を進めてまいります。
また、母親の胎内で被爆された方々やご家族のご要望を踏まえ、こうした方々への支援体制も強化します。
結びに、犠牲となられた方々の御冥福と、被爆された方々並びに御遺族の皆様の今後の御多幸を心からお祈りし、併せて参列者並びに広島市民の皆様の御健勝を祈念申し上げ、私のあいさつといたします。

平成22(2010)年8月6日           内閣総理大臣 菅直人
*挨拶文は、内閣官房内閣広報室の資料を参照しました。



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