ナウマン象の化石

  南区似島町字東大谷の広島市似島臨海少年自然の家に展示されている「ナウマン象の化石」です。
昔、瀬戸内海は草原だったのです。今から200万年〜1万年前は、洪新世(こうしんせい)とよばれ氷河期でした。寒冷な氷河期には、海面が百数十メートルも下がることがありました。そのため日本列島は大陸と陸続きになり、ナウマン象、ムカシジカ、野牛(バイソン)など現在日本では絶滅した大型の獣が、大陸から渡ってきました。瀬戸内海は、浅い沼地か平原となったため、現在の島々は当時平原に聳えていた山だったのです。
今からおよそ一万年前、氷河時代が終わり、氷が融けて海面が上昇し、日本列島は大陸から切り離され、瀬戸内海は現在のような状態になりました。今でも瀬戸内海のあちこちの海底からときおりナウマン象やムカシジカの化石が漁師の網にかかって上がってくるのはそのためです。
ナウマン象: 〔名称は地質学者・ナウマン(独・1854-1927:東大地質学教室初代教授)にちなむ〕
更新世の後半、日本や中国大陸北部などに分布したゾウ。
体高約3m。長い牙は内側に向かって湾曲する。臼歯の表面は洗濯板状の畝(うね)を刻む。北海道から九州まで、各地で化石が発見される。
(こうしんせ)
更新世:
新生代第四紀の前半。約170万年前から約1万年前までの期間。
この時代には汎世界的に四回の氷期と三回の間氷期が認められている。人類が出現した時期。氷河時代。最新世。洪積世(こうせきせい)。
(きゅうし)
  臼歯:
哺乳動物の上下の歯列の奥にある歯。前臼歯(小臼歯)と後臼歯(大臼歯)の区別がある。
人間では上下左右にそれぞれ前臼歯二本、後臼歯三本がある。
(しゃっこつ)
  尺骨:
前腕にある二本の骨のうち、小指側にある管状の長骨。橈骨(とうこつ)と平行している。
2009年似島を訪ねたときは知らなかったのですが、元宇品を調べているときに、似島少年自然の家に「ナウマン象の化石」が展示されていることを知り、ぜひ見なくてはと思たので、NETで似島少年自然の家の資料をザッとみましたが(わたしが雑に観たからか)このナウマン象の化石の紹介がないようでした。
2010年訪ねた時は、独占状態でこの化石を見ながら(この歳になってしまいましたが)少年だった頃の(アンモナイト等などの)化石をみて心躍らせた時がよみがえり、硝子ケースに額を押し付けながら見入ってしまいました。
似島を訪れることは(わたしがそうであったように)平和学習が主目的であっても、このナウマン象の化石をみることも人類の歴史を学べるものとして、コースの中に加えられたらと(お節介ながら)頁に編集し紹介しました。
10.05.07更新    10.03.23.裕・記編集

10.02.09撮影
広島市南区似島町字東大谷182  (広島市似島臨海少年自然の家2階)

10.02.09撮影
「ナウマン象の牙」  広島大学理学部地質学教室提供

10.04.15撮影
「ナウマン象の牙」

10.02.09撮影
ナウマン象の尺骨(前足部分)  似島中学校提供

10.02.09撮影
ナウマン象の臼歯(下顎) 広大理学部地質学教室提供 ナウマン象の臼歯(下顎) 広大理学部地質学教室提供

10.02.09撮影
説明板の図を使用しています



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