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南区似島町字東大谷の広島市似島臨海少年自然の家に展示されている「似島で産した水晶など」です。 |
似島の石
似島は、島全体が広島市付近で普通よく見かける花崗岩(かこうがん)でできています。花崗岩は、石英、長石、黒雲母の3つの鉱物からできています。似島ではこの花崗岩のところどころにレンズ状に石英・長石・黒雲母が大きな結晶になっているところ(巨晶花崗岩)があります。この中によく空洞になったところがありそこに石英のきれいな結晶(水晶)や、長石の結晶が見られることがあります。このような自然にそれぞれ特有の形のととのったものを自形(じけ)と云います。石英(水晶)や長石の自形は、この似島や厳島(宮島)でよく見られ、ここに展示の鉱物は全て似島から出たものです。
似島の鉱物は古くから知られ、明治時代終りに出版された鉱物学の本にも記されています。形の大小ではなく、結晶面がみごとな事で鉱物学界でも注目されました。 |
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(かこうがん)
花崗岩: |
石英雲母長石などから成る深成岩。完晶質等粒状で、色は純白ないし淡灰色。磨くと光沢がでる。石碑、建築土木用材など用途が広い。御影石(みかげいし)。 |
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(せきえい)
石英: |
二酸化ケイ素からなる鉱物。六角柱状または錐状の結晶。無色ないし白色で、ガラス光沢がある。流紋岩花崗(かこう)岩など多くの岩石の造岩鉱物、また砂礫(れき)などとして多量に存在。装飾品窯業原料などに利用する。 |
(すいしょう)
水晶: |
肉眼で見えるような石英の大きな結晶。
普通、六角柱状で無色透明であるが不純物の混じった草入り煙入りや、紫黄色などのものもある。光学機材水晶振動子印材装飾などに用いる。水玉。 |
(ちょうせき)
長石: |
ナトリウムカルシウムカリウムなどのアルミノケイ酸塩鉱物。造岩鉱物としてたいていの岩石に含まれ、ガラス光沢があり、ほぼ白色。三斜晶系に属するものと単斜晶系に属するものとがある。成分元素によって、斜長石カリ長石などに分ける。 |
(うんも)
雲母: |
アルカリ金属アルカリ土類金属鉄などとアルミニウムを含むケイ酸塩鉱物。多くは単斜晶系、六角板状の結晶。薄くはがれ、光沢がある。白雲母黒雲母鱗(りん)雲母など二十数種がある。各種岩石の造岩鉱物として広く存在する。電気の絶縁材料、保温耐熱材料などに用いる。マイカ。 |
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ナウマン象の化石、ムカシジカなどの化石を見てから、この水晶の展示に目がいきました。似島にも水晶が採れていたのかと思ったのです。子どもの頃近くに水晶がとれるというので友だちと探しに行ったというぼんやりとした記憶があったからで、展示されているような色付きではなく白というか透明のごく小さなものだったと思ったのです。むかしは日本のいろいろなところで水晶が採れたと聞いたことがありますが、この似島も今では(採りつくし??)採れないのかと思ったりしました。 |
10.03.25.裕・記編集 |