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三次市三次町の鳳源寺に建立されている「神道碑」です。 |
三次藩祖浅野長治(1632-1675)は、寛永15(1638)年父・浅野長晟(1586-1632)の七回忌に当り、その徳を讃えて鳳源寺の境内に神道碑を建てました。碑文は藤原惺窩(せいか:儒学者:1561-1619)の門下四天王の一人堀杏庵の撰です。
(ほりきょうあん)
堀杏庵:
(1585-1642) |
江戸初期の儒医。近江の人。儒学を藤原惺窩、医を曲直瀬(まなせ)正純に学ぶ。安芸藩(浅野長晟)、次いで尾張藩(徳川義直)に仕え法眼に進む。晩年、幕命により江戸に出て大名諸家の系図を編纂。長男:立庵は広島藩に仕えた。 |
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(しんとう)
神道: |
日本民族固有の伝統的な宗教的実践と、それを支えている生活態度および理念。
アニミズム(精霊崇拝)やシャーマニズムなどから発し、次第に祖先神氏神国祖神の崇拝を中心とするものになり、大和朝廷によって国家的祭祀(さいし)として制度化された。外来信仰である仏教に対して形成された概念で、その後、仏教や儒教の影響を受けながら、両部神道伊勢神道吉田神道垂加神道復古神道など多くの神道理論が生まれた。
明治以後、神社は国家の管理下に置かれ、伊勢神宮を頂点とする国家神道が形成されたが、第二次大戦後、神道指令により解体された。かんながらの道。 |
(きふ)
亀趺: |
亀(かめ)の形に刻んだ、碑の台石。碑。 |
(ひき)
贔屓: |
中国の伝説上の生物。
竜が生んだ九匹の子である竜生九子(りゅうせいきゅうし)※の一匹である。
亀に似ている姿である。重きを負うことを好むという。故に石碑や石柱の土台の装飾とされる。 |
(ひいき)
贔屓: |
〔「ひき(贔屓)」の転〕
1)気に入った人に特に目をかけ世話をすること。気に入ったものを特にかわいがること。
2)目をかけて世話してくれる人。パトロン。後援者。 |
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2008年に「瑤泉院の遺髪塔」をみた時にこの「神道碑」もみたのですが撮影していませんでした。今(2009年4月)回は鳳源寺に設置されている説明板を読んで、建立の経緯も知りましたので撮影しました。ただ亀甲網が邪魔になり碑文の撮影には不向きでしたが、碑文は370余年後のいまもはっきりしていました。
そして、亀に乗ったこの碑は、平和記念公園の韓国人原爆犠牲者慰霊碑や韓国に行った時に見た亀に乗った記念碑に似た形式のようにも思いましたが、少しですが調べると亀ではなく贔屓(ひき)という中国伝説上の動物のようです。 |
09.04.28裕・記編集 |