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東広島市河内町入野の竹林寺の「篁(たかむら)堂」を取り上げました。 |
竹林寺は、真言宗御室派のお寺で、御本尊は千手観音菩薩です。
縁起は、730(天平2)年行基菩薩(668-749)の開創と伝えられています。
802(延暦21)年山麓に八千代という女、子無きを嘆き千日参詣の願をかけ、満願の日の夜半お堂の中から童子が現れ五色の玉を彼女に授けた。一年後八千代は、男子を出産しました、この子が自ら「吾れはこれ篁なり」と名乗ったのです。この子は後に、小野篁となり、没後百年、再びこの世に生まれ僧となって、郷里の竹林寺で冥途の十王尊像の内九体を刻み、残り一体は自ら生身の仏となられたそうです。その時から寺号も「篁山竹林寺」と改められました。
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本堂に並んで護摩堂があり、その根際に小さなお堂がありましたので、みると「篁堂」と額が懸っていました。
縁起を読んでいましたので、小野篁をお祀りしているお堂だなと思い、中を拝見すると下に女性像、上には男性像、男性像は小野篁であろうことはすぐわかりましたが、下の女性は?と思ったのですが、縁起の中で出てくる女性といえば、篁を生んだといわれる八千代つまり母堂かなとは思いましたが、確証はその時はありませんでしたが、後日広島大学デジタルミュージアムをみると御母堂と解説がありました。 |
子どもたちが小さかった頃ですので、もう四半世紀以上前になりますが、入野駅から登り訪ねた事があったお寺でしたが、今(2010)年本尊の千手観音が33年ぶりに御開帳になり法要もあったことから、この篁堂も開帳となっていたのでしょう(普段は扉が閉じられているようです)。 |
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河内町は、2005(平成17)年2月7日賀茂郡黒瀬町・豊栄町・福富町などとともに東広島市に編入されました。 |
10.07.15裕・記編集 |
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