|
長崎市南山手町のグラバー園に展示されている「旧リンガー住宅」です。 |
指定:国指定重要文化財(昭和41年6月11日) |
所在地・所有者:長崎市南山手町2番地・長崎市 建築年代:1868(明治元)年〜1896(明治2)年 |
構造形式:石造、平屋建、下層式ベランダ付、寄棟造桟瓦葺 |
|
この家には英国人フレデリック・リンガー(1840〜1908)が明治時代に住んでいました。幕末から明治になったばかりの頃の洋館の代表的な姿がここに見られます。わが国に例の少ない石造りの洋風住宅で重厚な中に優美さが漂っているのが特色です。
中国広東茶の熟練検査官だったリンガーは1864(元治元)年頃から長崎入りして1868(明治元)年11月にグラバー商会を退社して英国人E・Z・ホームと共同で大浦12番地に「ホーム・リンガー商会」を設立しました。
その後、リンガーは茶の製造輸出を手始めに製粉、瓦斯、発電などの事業に幅広い活動を始め、明治・大正・昭和初期を通じウラジオストックなどの海外各港との貿易業務、各国商社代理業務に携わりました。居留地の英字新聞ナガサキプレスを刊行(昭和四年廃刊)したり、捕鯨業やわが国初のトロール漁業(グラバーの息子倉場富三郎と共同)、そして長崎の上水道敷設などにも大いに尽力するなど長崎の殖産興業に力を注いでいます。スウェーデン、ノルウェー、デンマークなどの名誉領事にも就任して、長崎の平和的な国際交流に力を注ぎました。
1907(明治40)年イングランドのノーフォークへ一時帰郷しました、しかし再び日本を訪れることはありませんでした。 長崎市 |
|
|
グラバー園で目に留まった旧リンガー住宅を撮影しました。 |
05.12.17裕・編集 |