広島市郷土資料館「山繭織展示コーナー」

  南区宇品御幸の広島市郷土資料館に展示されている「山繭関連資料」です。
広島市郷土資料館1階常設展示室に「山繭織」の展示コーナーがあります。
いわく、
『広島市安佐北区の可部町や安佐町でかつて行われていた山まゆ織りが、いつ始まったのかよく分かりません。元文4年(1739)の記録に安佐町の鈴張、小河内での山まゆ織りの様子が紹介されています。
山まゆは、日本原産の大型の蛾のヤママユガが作り出すマユのことをいいます。ヤママユガは、クヌギやコナラなどのナラの仲間の落葉樹の葉を食べて育ちます。
大勢の人々が住む広島城下の日常生活で必要な燃料として、これらの木が太田川沿いの山々に植えられて豊富であったことなどから、安佐町などの地域で早くから山まゆ織りが行われていたのかもしれません。
山まゆ織りは、明治時代の終わり頃からますます盛んになりました。
しかし、自然に育つまゆを山から採集していたため、他の繊維製品が機械で大量生産されて安く売られるようになって、しだいに山まゆ織りが少なくなり、広島では昭和初年に産業としての生産はなくなりました。
展示では、山まゆ織りの歴史、ヤママユガ、糸、織物や山まゆ織りの販売などを紹介しています』
と展示内容の紹介があります。
(やままゆ)
山繭:
鱗翅(りんし)目ヤママユガ科の蛾(が)。翅(はね)の開張約15cmと大形で、色は赤褐・暗褐・黄褐色など変異に富む。前翅(ぜんし:前部の一対のはね)の先は鎌状にとがり、各翅の中央に眼状紋がある。幼虫は緑色で毛のまばらに生えた芋虫。
クヌギ・コナラなどの葉を食い、葉間に黄緑色の大きな繭を作る。繭からは良質の絹糸がとれ、屋内飼育はできないので木に網をかけて放し飼いとする。
日本・朝鮮半島・台湾などに分布。てんさん(天蚕)。
2010年4月交流ウォーク探検隊で可部の町を遊歩した時は、ボランティアガイドをされているK氏に案内していただきました。その中で、中川醤油に山まゆ(山繭)が展示されおり、可部地区を含む旧安佐郡一帯で1700年代はじめ頃から山まゆ織りがさかんに行われていたという事を教えていただきました。わたしは全く知らない事で、ヤママユガというものもはじめてみました。
2010年12月交流ウォーク下見・本番でここ(宇品の)広島市郷土資料館を見学した時、山繭織のコーナーを目にし、(今まではわたしは、碌にみていませんでしたので)これはよく見なくてはと思ったのです。
展示には山繭織の年表、山まゆからとられた糸などの展示がありましたので、この頁を編集しました。
11.02.08裕・記編集
  山繭織は、山地に生育するクヌギ、ナラ、カシワ、カシなどの葉を食べるヤママユガ(蛾)の幼虫が作るまゆから糸をとり、織物としたものです。
山繭織は、丈夫であることから評判が高まっていきました。
可部町、安佐町を中心とした地域で近世以降、盛んに生産されました。
明治初め評判が高まり、特に可部の街は機械織り工場、問屋、染物屋などで栄えましたが、山繭織は昭和初期には全くその姿を消してしまいました。
山繭織の歴史年表
1755 宝暦5年 山繭織が広島藩の特産であったという記録がはじめて出現
1793 寛政5年 山繭織が広島藩の特産品として指定される
1818〜 文政元年〜 可部町と鈴張村を中心とした地区で山繭織がさかんになる
1830〜 文政13年〜 広島藩の財政悪化と、天保の飢饉の為山繭織独占的扱いとなる
1865 慶応元年 織物御場所を設置し、特産品として規制を強める
原料生産の為の飼育林種附法を開発する
1869 明治2年 広島藩の統制に、織女たちが直訴しようとする
1870 明治3年 再び騒ぎが起こる
原料不足で、中国地方各地から入手するようになる。
縞紬の技術が考案される
1886 明治19年 広島市革屋町に初めて出店、広島名産山繭織として売り出す
1891 明治24年 可部町で山繭紬の工場が造られるが2年で倒産する
1894 明治27年 山繭織が軍人に好まれ、全国に販路を広げる
1904 明治37年 東京、名古屋に常設出張所を置き、全国へ販売する
1912 大正元年 山繭織の生産量がピークになる
次第に尾州(愛知県)ものの絹織物におされていく
広島市南区宇品御幸2丁目6-20  広島市郷土資料館

10.12.04撮影
(展示の)山まゆ

10.12.04撮影
(やままゆ)
山繭
山繭は、カイコの白い繭と比べてひとまわり大きなサイズで、繊維も太く、山繭1粒からとれる糸は600〜700mで、カイコの繭1粒からとれる糸の半分にしか過ぎません。

10.12.04撮影
(展示の)山繭蛾

10.12.04撮影
山繭からとれる糸
やままゆからとれる糸は、緑色の美しい光沢をもつ・軽い・軟らかい・暖かい・皺になりにくい・弾力性があるなどの特長があります。また希少であることから「繊維のダイアモンド」と呼ばれることもあります。



「資料館など」編


「旧(安佐郡)可部町」編



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